胡蝶の夢着物

お教室で中級になると、かつら付けというのがあります。
かつら付けとは、生徒同士で留袖に袋帯で二重太鼓を着付けし合い、
美容師さんがメイクとかつらをつけて、
プロのカメラマンが撮影してくれる授業の一環です。
授業料の他にメイク・ヘアセット・撮影代・写真代（3枚撮って台紙にいれてくれます）
で1万円。
破格です。
生徒同士で着付けしあいますが、勿論先生が総出で出ていらっしゃるので、
手伝ってもくれます。
生徒さん個々で着付けレベルも違うので、折角撮影するのにぐずぐずじゃ悲しいですからね。
通常は黒留袖で撮影ですが、若い人は振袖もオッケーとのことであったので、
母が着て、姉が着た振袖を引っ張り出すことにしました。


さて、母の振袖ですが、私は一回も着ていないのです。
成人式の時にはどうしても同級生に会いたくなく、
成人式には全く行かなかったのです。
おまけにフォトスタジオの撮影だけで、当時は全く着物に興味が薄く（描くのは好きでしたが）
「ピンクの着物って……」だったので母の着物は着なかったのです。


で、母の振袖。
改めてみるとなんとなく小紋みたいな柄ですね……
振袖という柄ではあまりないような気もします。
母に聞いたら、あまり当時は深く考えず買ったようです。
今改めて見ると、成人式の時に着たいと思わなかった理由は。
同級生に会いたくない以外にこの柄と振りの長さ。
やっぱり大きな柄のものや絵羽に憧れますし、いかにも振袖！！って気がするじゃないですか。
振りも今の成人式の物に比べると、あまり長くないしアンティークの長めの袖もこれぐらいあるぞ？という感じです。
今の歳で見ると、個人的にはこの着物は嫌いじゃないですが、
振袖かといわれると「？？？」です。
調べてみると、絵羽が主流ですが小紋柄の振袖もあるとの事。
ただ、この色柄だと普通の小紋でも通用する物であるし、紋もないから格はあんまりなのかも……
あとは、母がうろ覚えなだけで、一回しか着ないのはもったいないから、
後に袖を切るつもりでこの柄だったのかも。
好みかといわれると、小紋ならいいけど振袖なら「んー……」ではありますが、
折角なので着るつもりです。

続いて帯。



竹です。見まごうことなく竹です。
いや、太くて立派ですが、葉もなければ何もない竹です。
松竹梅というめでたい物にも竹は入ってますが、竹です。
上の振袖にこの帯は「うーん……」と私は思うのですが母はオッケーだった模様。
母のセンスはとことん私とは合わないのですよ……。

ケチつけるな！！といわれそうですが、こればっかりはしかない。

ちなみに帯締めと帯揚げは蛍光グリーンという組み合わせ。
いくら母の振袖を使って撮影したいと思っても、いくらなんでもなぁというのが本音。
もちろん使いたい気持ちもあります。
この家だと私以外全く着付けが出来ないので、着ないことにはどの道箪笥のの肥やしです。
というわけで、せめて小物を変えれば何とかなるかも！！という一縷の期待をしながら、
小物が安い着物のリサイクル市へ！！

　　

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